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ASBJ、「修正国際基準の改正案」を公表

プライムジャパン・コンサルティング
会計情報リサーチ

2017/11/02

1.はじめに


企業会計基準委員会(ASBJ)は、2017年10月31日、修正国際基準公開草案第 5 号「『修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)』の改正案」(以下、「本公開草案」という)を公表しました。


ASBJは、2015年6月30日、「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(以下、「修正国際基準」という)を公表しました。これは2012年12月31日までに国際会計基準審議会(IASB)により公表された会計基準および解釈指針(以下、合わせて「会計基準等」という)を対象としてエンドースメント手続を行ったものでした。その後、ASBJは、IASBによる会計基準等の公表に合わせて、過去3度、修正国際基準の改正を行っています。


本公開草案は、4度目の改正案として、IFRS第9号「金融商品」(2014年)における改正点を主な対象としてエンドースメント手続を行い、今般、公表されたものです。


コメント募集期限:2018年1月4日(木)


(参考)
修正国際基準の公表から本公開草案までの経緯

公表日エンドースメント手続の対象削除又は修正
2015/06/30
修正国際基準※1
  • IASBが2012/12/31までに公表した会計基準等
  • 修正会計基準第1号:のれんの償却
  • 修正会計基準第2号:OCIのリサイクリング
2016/07/25
改正「修正国際基準」
  • IASBが2013/01/01-2013/12/31までに公表した会計基準等
  • 修正会計基準第2号:OCIのリサイクリングの改正(IFRS第9号(2013年)の一部削除又は修正)
2017/04/11
改正「修正国際基準」
  • IASBが2014/01/01-2016/09/30までに公表したうち2017/12/31までに発効される会計基準等
  • なし
2017/10/31
改正「修正国際基準」
  • IFRS第15号と関連する改正会計基準
  • IASBが2016/10/01-2016/12/31日までに公表したうち2017/12/31までに発効される会計基準
  • なし
2017/10/31
「修正国際基準」の改正案
【本公開草案】
  • IIFRS第9号(2014年)における改正点
  • IASBが2017/01/01-2017/06/30日までに公表したうちIFRS第16号およびIFRS第17号をのぞき、2018/01/01以後に発効される会計基準等
  • なし

※1 なお、修正国際基準についての詳細は「IFRSを巡る国内動向と展望 No.2 ~GAAP差異と修正国際基準の意義(1)~」を参照下さい。



2.エンドースメント手続の対象となった会計基準等


本公開草案でエンドースメント手続の対象となったのは、IFRS第9号「金融商品」(2014年)における改正点、および2017年6月30 日までに IASB により公表された会計基準等のうち、2018 年1月1日以後に発効するもの(ただし、IFRS第16号「リース」およびIFRS第17号「保険契約」を除く)です。


エンドースメント手続の対象

本公開草案での対象公表日
IFRS第9号「金融商品」(2014 年)における改正点(分類および測定に関する限定的修正、減損)2014年7月公表
「投資者とその関連会社又は共同支配企業の間の資産の売却又は拠出」(IFRS第10号及びIAS第28号の修正)2014年9月公表
「IFRS第10号及びIAS第28号の修正の発効日」2015年12月公表
「株式に基づく報酬取引の分類及び測定」(IFRS第2号の修正)2016年6月公表
「IFRS第9号『金融商品』のIFRS 第4号『保険契約』との適用」(IFRS第4号の修正)2016年9月公表
「IFRS基準の年次改善2014-2016年サイクル」によるIFRS第1 号「国際財務報告基準の初度適用」及びIAS第28号「関連会社又は共同支配企業に対する投資」の修正2016年12月公表
IFRIC解釈指針第22号「外貨建取引と前払・前受対価」2016年12月公表
「投資不動産の振替」(IAS第40号の修正)2016年12月公表
IFRIC解釈指針第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」2017年6月公表


3.エンドースメント手続の概要と「削除又は修正」の提案


エンドースメント手続は、IASBにより公表された会計基準等について、我が国で受入可能か否かを判断したうえで、必要に応じて一部の会計基準等について「削除又は修正」(エンドースメント)し、金融庁において指定する仕組みです。判断基準としては、①会計基準に係る基本的な考え方の相違、②実務上の困難さ、③周辺制度との関連等を勘案することとされています。


上記会計基準等を対象としてエンドースメント手続を実施した結果、本公開草案では、「削除又は修正」は行わないことが提案されています。



4.適用時期および経過措置


公表日以後開始する連結会計年度に係る連結財務諸表から適用することが提案されています。


以上


関連リンク:
IFRSを巡る国内の動向と展望 No.2 ~GAAP差異と修正国際基準の意義(1)~
IFRSを巡る国内の動向と展望 No.3~ GAAP差異と修正国際基準の意義(2)~


外部リンク:
ASBJ、修正国際基準公開草案第5号「『修正国際基準』の改正案」の公表